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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年3月7日

治験依頼者

シンバイオ製薬株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【白血病、悪性リンパ腫】などの血液・リンパのがん
悪性リンパ腫
ENKLを含む再発又は難治性のリンパ腫
管理ID(治験ID)
治験名

再発又は難治性のリンパ腫患者を対象としたBrincidofovir静脈内投与の安全性、忍容性、薬物動態及び予備的な有効性、並びに第II相推奨用量を用いて再発又は難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫患者を対象としたBrincidofovir静脈内投与の安全性及び有効性を評価する多施設国際共同、非盲検、第Ib/II相臨床試験 (BCV-NL01)

治験のフェーズ

第1-2相

問い合わせ先

DL-ClinicalTrials_SyB@symbiopharma.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:SyB V-1901 治験薬一般名(日本語):ブリンシドフォビル 治験薬一般名(英 語):Brincidofovir

Brincidofovirは、がん細胞の遺伝子にダメージを与え、増殖できなくしてしまいます。その際、Brincidofovirによって傷害されたがん細胞は免疫細胞を呼び寄せるような死に方をします。腫瘍組織に入り込んだ免疫細胞は生き残っているがん細胞を見つけて、さらに攻撃します。こういった抗腫瘍効果のメカニズムに加えて、Brincidofovirにはリンパ腫を引き起した可能性のあるウイルス(エプスタイン・バーウイルス(EBV))の増殖を強く抑制する作用もあります。これらの複合作用により、Brincidofovirは抗がん作用を示すと考えられます。

治験の概要

本治験は、再発または難治性のリンパ腫と診断されている患者さんを対象としており、2つのパート(パート1とパート2)から成り立っています。

パート1は「用量漸増パート」と呼ばれ、3つの異なる用量のうちのいずれかの用量の治験薬を静脈内投与(静脈に針を刺してお薬を投与する)し、安全性、薬物動態(お薬が体内に入った後、どのように動くか)、忍容性(副作用にどの程度耐えられるか)を調べます。パート1で用いられた用量の中で忍容性が認められた最大用量(推奨用量といいます)を見つけることを目的に実施します。

パート2は「拡大パート」と呼ばれ、推奨用量を投与した際の治験薬の安全性や有効性を調べることを目的としています。

本治験に参加していただける主な条件は、

①節外性NK/T細胞リンパ腫、EBV陽性節性T/NK細胞リンパ腫、節性T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫を含む)、非特定型末梢性T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または成人T細胞白血病リンパ腫と診断されていること、

②全身化学療法の前治療歴(節外性NK/T細胞リンパ腫の患者さんでは、SMILE療法等のL-アスパラギナーゼを含む多剤併用化学療法の治療歴)があり、他に適した全身療法がないと判断されていること、

③ECOGパフォーマンスステータスの評価が0~2(パート1に参加される方は0~1)であること、

等を満たす方を対象としています。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

本治験で用いられている治験薬Brincidofovirは、体内でcidofovirと呼ばれる化合物に変化することで効果を発揮するお薬です。このcidofovirはDNAを構成する成分に似た物質で、エプスタイン・バーウイルス(EBV)やがん細胞などの二本鎖DNAが複製されることを阻害することで、リンパ腫が小さくなる可能性が期待されます。

治験の実施方法の概要と注意事項

本治験では、ランダム化は行われず、専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治験薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名 jRCTを参照

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