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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年3月7日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
乳がん
トリプルネガティブ乳癌
管理ID(治験ID)

jRCT2061240081

治験名

術前薬物療法後の手術時に病理学的完全奏効を達成していないトリプルネガティブ乳癌患者を対象に、術後薬物療法としてMK-2870+ペムブロリズマブ(MK-3475)の有効性及び安全性を治験担当医師選択治療と比較する無作為化、非盲検、第Ⅲ相試験

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):Sacituzumab tirumotecan

MK-2870はモノクローナル抗体と細胞傷害性の薬剤であるKL610023を結合させた治験薬です。MK-2870はトロホブラスト抗原2(TROP2)と呼ばれるがん細胞の標的分子に結合します。TROP2の発現は正常細胞にも幾分みられますが、多くはがん細胞にみられます。MK-2870は、モノクローナル抗体にKL610023を結合させ、細胞傷害性の薬剤をがん細胞に直接届けることにより、がん細胞に対する効果を高め、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが期待されます。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) 治験薬一般名(英 語):-

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

この治験は、手術によってがんを切除したトリプルネガティブ乳癌の患者さんに、MK-2870とペムブロリズマブを併用で使用してもらう研究です。この治験では、MK-2870とペムブロリズマブの併用での使用を、ペムブロリズマブ単独およびペムブロリズマブとカペシタビンの併用での使用と比較します。

今回の治験の目的は、

• MK-2870とペムブロリズマブを併用で使用したときの安全性を調べることです。

• MK-2870とペムブロリズマブの併用での使用がどのように作用するか、ペムブロリズマブとカペシタビンの併用またはペムブロリズマブ単独での使用と比較することです。

• MK-2870とペムブロリズマブを併用で使用された方が、ペムブロリズマブとカペシタビンの併用またはペムブロリズマブ単独で使用された方と比べて、長期に健康状態を維持できるかどうかを調べることです。

• MK-2870とペムブロリズマブを併用で使用された方が、ペムブロリズマブとカペシタビンの併用またはペムブロリズマブ単独で使用された方と比べて、生活の質が改善するか比較することです。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には、世界で約1,530名、そのうち日本では約103名の患者さんが参加する予定で、参加いただく期間は約5~10年です。

この治験では、以下の2つのグループのいずれかに割り当てられます。

• グループ 1:MK-2870とペムブロリズマブ

• グループ 2:ペムブロリズマブとカペシタビンの併用またはペムブロリズマブ単独(どちらの治療を受けるか治験担当医師がお伝えします)

上記の2つのグループのうち、どのグループに割り当てられるのかは、コンピュータによって決められ、どちらのグループも割り当てられる確率は同じです。

この治験には3つの段階があります。

•スクリーニング期間:最初に、あなたがこの治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認いたします。これはスクリーニングの段階と呼ばれ、約42日間(6週間)続きます。この間に、1回以上来院していただきます。

•治療期間:あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治験薬を使用する段階に入ります。あなたのがんが進行(悪化)しない、その治験薬に対してあなたが治験薬の副作用を許容できる、または新たながん治療を開始しない限り、約24週間(6ヵ月)治験薬の使用を継続します。治療期間中の来院頻度は、あなたがどのグループに割り当てられるのかによって異なります。

 oグループ 1:約2週間に1回来院していただきます。

 oグループ 2(ペムブロリズマブとカペシタビンの併用):約3週間に1回来院していただきます。

 oグループ 2(ペムブロリズマブ単独):約6週間に1回来院していただきます。

乳房から離れた場所にがんが再発(遠隔再発)したため治験薬の投与を中止した場合は、治験薬の投与を中止してから約30日後に1回来院していただきます。この来院は、予定されている最後の治験来院となります。

治療期間中(治療開始から6ヵ月以内)に遠隔再発以外の理由で治験薬の投与を中止した場合は、フォローアップ期間の開始まで、約6週間に1回来院していただきます。

•フォローアップ期間:6ヵ月経過後、フォローアップの段階に入ります。あなたの治験参加期間の長さに応じて、3ヵ月、6ヵ月または12ヵ月ごとに来院していただきます。

治験来院を中止した後は、あなたの健康状態を確認するため、約12週間(3ヵ月)ごとまたはより頻回に、治験担当医師または治験スタッフより連絡を取らせていただきます。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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