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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年8月19日

治験依頼者

中外製薬株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【白血病、悪性リンパ腫】などの血液・リンパのがん
悪性リンパ腫
未治療の大細胞型B細胞リンパ腫患者
管理ID(治験ID)
治験名

未治療の大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象としてGLOFITAMAB(RO7082859) + ポラツズマブ ベドチン + リツキシマブ + シクロホスファミド + ドキソルビシン + プレドニゾン(POLA-R-CHP)併用療法の有効性及び安全性をPOLA-R-CHPと比較する第III相多施設共同ランダム化非盲検試験

治験のフェーズ
第3相
問い合わせ先
中外製薬株式会社:clinical-trials@chugai-pharm.co.jp
治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:RO7082859 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):glofitamab

私たちには,免疫と呼ばれる,がん細胞や感染した細菌を認識して攻撃する力が備わっています。通常,T細胞などの免疫を担う細胞はがん細胞に近づくとそれを認識し,攻撃を始めますが,がん細胞の中には免疫細胞を無力化したり,免疫細胞をがん細胞から遠ざけたりすることで増殖し続けるものがあります。Glofitamabは,がん化したB細胞の持つCD20と免疫を担うT細胞の持つCD3というタンパク質に同時に結合する抗体(体の免疫系によって作られるタンパク質の一種)医薬品で,CD20とCD3に同時に結合することによってT細胞をがん化したB細胞に引き寄せて攻撃しやすくさせるお薬です。

治験成分記号:RO5541077 治験薬一般名(日本語):ポラツズマブ べドチン 治験薬一般名(英 語):Polatuzumab Vedotin

ポラツズマブ べドチン(販売名:ポライビー?)は,MMAE(モノメチルアウリスタチンE)という抗がん剤が抗体に結合したお薬で,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対して厚生労働省より承認を取得しております。ポラツズマブ べドチンはB細胞の表面にあるCD79bというタンパク質に結合すると,細胞内に取り込まれ,その中でMMAEが抗体から切り離されます。分離したMMAEは細胞の分裂と増殖を抑える作用により,がん化したB細胞を細胞内から壊すことで,正常細胞への影響を抑えつつ抗がん作用を発揮すると考えられています。ポラツズマブ べドチンはCD79bに結合するため,CD79bを持たない,B細胞以外の細胞には作用しないと考えられています。

治験の概要

この治験の目的は,GlofitamabとPola-R-CHPを併用したときの大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんへの効果や体への影響をPola-R-CHPのみのときと比較することです。

<参加いただける方の主な条件>

? この治験の内容について十分な説明を受け,文書で同意している方

? 同意いただいた時点で18歳以上から80歳以下の方

? 大細胞型B細胞リンパ腫と診断され,過去に大細胞型B細胞リンパ腫の治療を受けたことがない方

? 画像検査でがんが確認できる方

? 新たに採取したがんの組織を提供いただける方,または過去に採取したがんの組織の提供に同意いただける方

? 全身状態が良好で(日常生活の制限の程度が少ない),血液,心臓などの機能が保たれている方

? 治験参加7日以内に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していない方

<参加いただけない方の主な条件>

? Pola-R-CHPのいずれかの成分やGlofitamabに対して過敏症が認められるなどの理由で治験薬が使用できない方

? 過去に臓器移植を受けたことがある方

? 過去に低悪性度リンパ腫になったことのある方

? 原発性もしくは続発性中枢神経のリンパ腫の方,または以前になったことがある方

? 縦隔/心膜領域に対して放射線治療を受けた方

? 大細胞型B細胞リンパ腫に対して治療を受けたことのある方

ただし,リンパ腫の症状に対してステロイド(炎症を抑えるお薬)による治療を受けていても治験に参加できる場合もあります。

? 治験薬の使用開始前6カ月以内に重大な心疾患(心臓に起こる病気)にかかった方

? 脳卒中,てんかん,中枢神経系血管炎,神経変性疾患などの中枢神経系疾患(脳や脊髄など)にかかっている方,または以前かかったことがある方

? 自己免疫疾患にかかっている方

? 重大な肝疾患(ウイルス性肝炎やその他の肝炎,肝硬変等)にかかっている方

? 進行性多巣性白質脳症(PML)にかかったことがある方

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

本治験に参加された方はA(Glofitamab + Pola-R-CHP), B(Pola-R-CHP)いずれかのグループに割り当てられます。どちらのグループに割り当てられるかは,無作為に決まります。この治験では,どちらのグループに入るか選べません。そのため, Glofitamabを使用するグループに入れない可能性があります。なお,Pola-R-CHP療法は現在標準的に使われている治療方法です。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

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