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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2025年3月7日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
乳がん
HR+/HER2-の切除不能局所進行又は転移性乳癌の患者
管理ID(治験ID)

jRCT2031240476

治験名

ホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HR+/HER2-)の切除不能な局所進行又は転移性乳癌患者を対象にMK-2870の単剤及びペムブロリズマブとの併用を医師の選択した治療と比較する非盲検、無作為化第Ⅲ相試験

治験のフェーズ

第3相

問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):sacituzumab tirumotecan

この治験で使用するMK-2870は、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体薬に抗がん剤が結合したものです。 MK-2870は、がん細胞の表面に存在するTROP2というたんぱく質に抗体が結合することでがん細胞内へ移行し、抗体と抗がん剤の結合が解かれ、抗がん剤が放出されます。放出された抗がん剤は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。がん細胞を破壊すると、がん細胞の外に抗がん剤が放出されるため、MK-2870が TROP2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。

TROP2は固形がんに多く発現する一方で正常組織での発現は低いことが知られており、MK-2870は細胞表面にTROP2をもつ細胞を標的とすることから、正常な組織に対して作用しにくくなることが期待されます。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) 治験薬一般名(英 語):-

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

この治験はMK-2870(sacituzumab tirumotecan、sac-TMTとも呼ばれる)単剤またはMK-2870とペムブロリズマブとの併用を切除不能な局所進行または転移性乳癌の患者さんに使用してもらう研究です。ヒトに対するMK-2870 の安全性とがんに対する効果を調べるために行われます。なお、MK-2870とペムブロリズマブの併用投与はまだ承認されていません。

この治験では、以下について比較します。

・MK-2870単剤療法、またはMK-2870とペムブロリズマブとの併用療法と、乳癌に対する4種類の標準化学療法(パクリタキセル、nab-パクリタキセル、リポソーム化ドキソルビシンまたはカペシタビン)

・MK-2870単剤療法と、MK-2870とペムブロリズマブとの併用療法

今回の治験の目的は下記のとおりです。

・MK-2870単剤、またはMK-2870とペムブロリズマブを併用投与したときの安全性を調べること。

・MK-2870単剤、MK-2870とペムブロリズマブとの併用、または化学療法がどのように作用するか、比較すること。

・MK-2870単剤、MK-2870とペムブロリズマブとの併用、または化学療法により、長期に健康状態を維持できるか、比較すること。

・MK-2870単剤、MK-2870とペムブロリズマブとの併用、または化学療法が生活の質を改善するか、比較すること。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には、世界で約1200名、そのうち日本では約77名の患者さんが参加する予定です。

本治験ではMK-2870単剤(グループ1)、MK-2870+ペムブロリズマブ(グループ2)、標準化学療法(グループ3)のいずれかの投与を受けていただきますが、どちらが選択されるかはご自身でお選びいただけません。グループ1またはグループ2の薬剤が投与される確率はそれぞれ8分の3、標準化学療法(パクリタキセル、nab-パクリタキセル、カペシタビン、リポソーム化ドキソルビシンのうちのいずれか1つ)が投与される確率は8分の2です。なお、どの治験薬を使用しているのか分かるようになっています。

グループ1またはグループ2では、約2週間に1回来院していただきますが、グループ3では、どの薬剤の投与を受けるかによってスケジュールが異なります。

この治験にご参加いただく期間は、およそ7年間で、治療終了後もフォローアップさせていただきます。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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