患者本位の「がん治験情報サイト」

各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年8月19日

治験依頼者

MSD株式会社

疾患名(jRCTに掲載) 【胃がん、大腸がん、食道がん】などの消化管のがん
食道がん 胃がん
胃腺癌、食道胃接合部腺癌及び食道腺癌
管理ID(治験ID)
治験名

三次治療以降の進行又は転移性胃食道腺癌(胃腺癌、食道胃接合部腺癌及び食道腺癌)の患者を対象にMK-2870の有効性及び安全性を治験担当医師選択治療と比較する無作為化、多施設共同、非盲検、第Ⅲ相試験

治験のフェーズ
第3相
問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

MK-2870は、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体薬に抗がん剤が結合したものです。MK-2870は、がん細胞の表面に存在するトロホブラスト抗原2(TROP2)というたんぱく質に抗体が結合することでがん細胞内へ移行し、抗体と抗がん剤の結合が解かれ、抗がん剤が放出されます。放出された抗がん剤は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。がん細胞を破壊すると、がん細胞の外に抗がん剤が放出されるため、MK-2870がTROP2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。

治験の概要

この治験は、2レジメン以上の治療を受けた後に進行(悪化)した胃食道腺癌の患者さんに、MK-2870を使用してもらう研究です。

この治験ではMK-2870を胃食道腺癌の治療に使用されている標準的な化学療法と比較します。この治験で使用する標準的な化学療法は、トリフルリジン・チピラシル、イリノテカン、パクリタキセルおよびドセタキセルであり、これらの薬剤は胃癌に対する治療法として日本で承認されています。この治験では、トリフルリジン・チピラシル、パクリタキセルおよびドセタキセルは日本で承認されている投与量・投与頻度で使用されますが、イリノテカンは日本で承認されている投与量・投与頻度とは異なる投与方法で使用されます。

MK-2870は研究段階にあり、国内外において承認されていません。

今回の治験の目的は、

・MK-2870の安全性を検討することです。

・MK-2870がどのように作用するか標準的な化学療法と比較することです。

・MK-2870を使用した方が、標準的な化学療法を使用した方と比べて、長期に健康状態を維持できるかどうかを調べることです。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験にご参加いただく期間は、約1年間です。この治験には3つの段階があります。

?スクリーニング期間:最初に、あなたがこの治験に参加できるかどうかを治験スタッフが確認いたします。これはスクリーニングの段階と呼ばれ、約28日間続きます。この間に、1回以上来院します。

?治験薬の使用期間:あなたが治験に参加できる場合、次のステップとして治験薬を使用する段階に入ります。あなたのがんが進行した場合、許容できない副作用や安全性の問題がみられた場合、あるいはがんに対する他の治療を開始した場合、または治験担当医師が治験薬の投与中止を判断した場合、治験薬の投与を中止します。

あなたが治療期間に来院する頻度は、あなたがどのグループに割り当てられているかによって異なります。

グループ1(MK-2870):約2週間に1回来院します。

グループ2(化学療法):あなたが投与される化学療法によって、来院スケジュールが異なります。

oトリフルリジン・チピラシル:約4週間に1回来院します。各コースの15日目には、血液検査のみ行う来院があります。

oイリノテカン:約2週間に1回来院します。

oパクリタキセル:約4週間のうち最初の3週間は毎週1回来院します。

oドセタキセル:約3週間に1回来院します。

グループ1および2:あなたのがんが進行した場合、治験薬の投与を継続する選択肢もあります。がんが進行した後も治験薬の投与を継続することは、がんに対する標準的な治療法ではありません。この選択肢について、治験担当医師はあなたと話し合います。治験薬の投与を継続する場合、別途お渡しする同意書にご署名いただく必要があります。

?フォローアップ期間:治験薬の使用が終わると、フォローアップの段階に入ります。

oがんの進行により治験薬の投与を中止した場合は、治験薬投与中止から約30日後に1回来院します。これが治験で規定された最後の来院となります。

oがんの進行以外の理由で治験薬の投与を中止した場合は、治験薬投与中止から約30日後に1回来院します。その後、治験薬中止の時期に応じて、6~9週ごとにフォローアップのために来院します。

治験のための来院を中止した後は、あなたの健康状態を確認するため、約12週間(3ヵ月)ごとまたはより頻回に、治験担当医師または治験スタッフより連絡を取らせていただきます。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

QRコード

ページを印刷

クリックタップで印刷します

一覧へ戻ります

© 2021 Foundation for Promotion of Cancer Research.

pagetop