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各治験の解説 ※企業から了承が得られた情報を公開しています。

更新日 2024年11月13日

治験依頼者
MSD株式会社
疾患名(jRCTに掲載) 【肺がん、乳がん】などの胸部のがん
肺がん
扁平上皮非小細胞肺癌
管理ID(治験ID)
治験名

転移性扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象に、一次治療としてペムブロリズマブ、カルボプラチン及びタキサン系薬剤(パクリタキセル又は nab-パクリタキセル)の併用投与後に維持療法としてMK-2870の併用又は非併用下でペムブロリズマブを投与する第Ⅲ相試験

治験のフェーズ
第3相
問い合わせ先

企業名:MSD株式会社

問い合わせ先:MSDJRCT問合せ窓口 msdjrct@merck.com

治験成分記号
(治験薬一般名)
(作用機序情報)
治験成分記号:MK-2870 治験薬一般名(日本語):- 治験薬一般名(英 語):-

この治験で使用するMK-2870は、抗体-薬物複合体(ADC)と呼ばれるくすりの一種で、抗体薬に抗がん剤が結合したものです。MK-2870は、がん細胞の表面に存在するTROP2というたんぱく質に抗体が結合することでがん細胞内へ移行し、抗体と抗がん剤の結合が解かれ、抗がん剤が放出されます。放出された抗がん剤は、細胞内からがん細胞を攻撃することで、そのがん細胞を破壊します。がん細胞を破壊すると、がん細胞の外に抗がん剤が放出されるため、MK-2870がTROP2を介して結合したがん細胞に隣接する他のがん細胞に対しても、効果を発揮することが期待されます。TROP2は固形がんに多く発現する一方で正常組織での発現は低いことが知られており、MK-2870は細胞表面にTROP2をもつ細胞を標的とすることから、正常な組織に対して作用しにくくなることが期待されます。

治験成分記号:- 治験薬一般名(日本語):ペムブロリズマブ 治験薬一般名(英 語):-

ペムブロリズマブは、PD-1(Programmed cell Death-1)の伝達経路を阻害する抗体のくすりです。PD-1は、免疫系の細胞(T細胞)の表面上に存在し、がんに対する免疫のはたらきを抑え、免疫系ががんを攻撃できないようにします。ペムブロリズマブはPD-1に作用し、PD-1がPD-L1(PD-1と結び付くたんぱく質で、がん細胞の表面上にある)と結び付くことを防ぎ、免疫系ががんを攻撃できるように促すことで、がんに対して有効であると考えられています。

治験の概要

この治験はMK-2870をペムブロリズマブとの併用で非小細胞肺癌の患者さんに使用してもらう研究です。この治験では、MK-2870とペムブロリズマブとの併用療法をペムブロリズマブ単独療法と比較します。MK-2870は研究段階にあり、単独使用でも、ペムブロリズマブとの併用使用でも、国内外においていずれのがんに対しても承認されていません。ペムブロリズマブはKEYTRUDA?とも呼ばれ、様々ながんの治療薬として承認されています。日本においても非小細胞肺癌を含む様々ながんの治療薬として既に承認されています。

今回の治験の目的は、

?MK-2870とペムブロリズマブ併用の安全性を調べることです。

?MK-2870とペムブロリズマブを併用した方が、ペムブロリズマブ単剤を使用した方と比べて、どの程度効果があるかを確認することです。

?MK-2870とペムブロリズマブを併用した方が、ペムブロリズマブ単剤を使用した方と比べて、長期に健康状態を維持できるかどうかを調べることです。

?MK-2870とペムブロリズマブを併用した方が、ペムブロリズマブ単剤を使用した方と比べて、生活の質が改善するか比較することです。

ただし他の条件も多数あり、本治験に参加していただけるか否かは専門家による医学的判断が必要となります。

治験の実施方法の概要と注意事項

この治験には、世界で約851名、そのうち日本では約71名の患者さんが参加する予定です。

導入療法期

この治験に参加して最初の3ヶ月間は導入療法期と呼ばれます。導入療法期では、すべての患者さんにペムブロリズマブと化学療法の併用療法を受けていただきます。使用する化学療法剤はカルボプラチン、パクリタキセル、nab-パクリタキセルという薬剤で、非小細胞肺癌の標準的な治療に用いられます。これらの治験薬は、あなたの静脈血管内へ針で投与されます。これを静脈内投与といいます。導入療法期には4回の静脈内投与を受けていただきます。

維持療法期

導入療法期の後、あなたの治験薬の副作用が投与継続に問題なく、がんが悪化していない場合、維持療法期に進みます。維持療法期では、以下の2つのグループがあります。

?グループ 1:MK-2870とペムブロリズマブの併用

?グループ 2:ペムブロリズマブ単独

あなたが使用する治験薬は、あなたがどのグループに割り当てられるかによって変わります。上記の2つのグループのうち、どのグループに割り当てられるのかは、コンピュータによって決められます。あなたがグループ1、またはグループ2に割り当てられる確率は等しくなります。MK-2870およびペムブロリズマブはどちらも静脈内投与されます。治験薬の投与スケジュールは、割り当てられた治験薬によって異なります。

病院には治験で決められたスケジュールで来てもらい、治験で必要な採血や検査等を受けてもらう必要があります。

MK-2870は未承認のお薬なので、まだわかっていない副作用やリスクもありますが、悪心・嘔吐、口内炎等が多くの患者さんに出ています。また胎児や乳児にどのような影響があるか分かっていないので、治験期間中は避妊にご協力いただく必要があります。

専門家による医学的判断の結果、登録の条件を満たす方には治療薬が投与されます。

なお、本治験の治験薬は有効性・安全性が確立していないもので、それらの評価を厳密な管理のもとに行う段階です。

また、実施する治験薬の副作用が生じうるリスクがあり、治験への参加に伴う検査内容・検査方法等の詳細を含め、本治験への参加の可能性がある場合には、治験実施医療機関において直接説明を受けて頂く必要があります。

病院名

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